財務諸表

2024年02月12日 22:15

バランスシート貸借対照表

バランスシート貸借対照表)とは、一定の会計期間における企業の資産・負債・純資産の状態を表したもので、決算書の一種です。バランスシート貸借対照表)を分析することによって企業の財政状況や経営状態を知る事ができます。現金や在庫、借入など企業の残高(balance)を表(sheet)に示すことからバランスシートと呼ばれています。

バランスシートとは?

この記事では、金融用語「バランスシート」について、その意味や構成要素、見方や活用方法などを解説します。バランスシートは、企業や個人の財務状況を表す財務諸表の一つで、金融の基本的な知識として重要です。この記事を読むことで、バランスシートの理解を深めることができます。

バランスシートとは何か?

バランスシートとは、企業や個人の財務状況を表す財務諸表の一つです。バランスシートは、ある時点での資産(所有するもの)、負債(借りているもの)、純資産(自分のもの)の三つの要素を左右に並べて、その合計が等しくなるように表示します。バランスシートは、英語ではBalance Sheetと呼ばれ、その頭文字をとってBSと略されることもあります。バランスシートは、企業や個人の財産の状態や変化を把握するために、重要なツールとなります。

バランスシートの構成要素

バランスシートは、資産、負債、純資産の三つの要素から構成されます。それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。

資産

資産とは、企業や個人が所有するもののことです。資産には、現金や預金、株式や債券、土地や建物、機械や設備、在庫や債権など、さまざまな種類があります。資産は、その流動性や耐用年数によって、以下のように分類されます。

  • 流動資産:短期的に現金化できる資産のことです。例えば、現金や預金、売掛金や市場性証券などが流動資産にあたります。
  • 固定資産:長期的に使用される資産のことです。例えば、土地や建物、機械や設備、ソフトウェアや特許権などが固定資産にあたります。
  • その他の資産:流動資産でも固定資産でもない資産のことです。例えば、保証金や未収入金、繰延税金資産などがその他の資産にあたります。

資産は、バランスシートの左側に表示されます。

負債

負債とは、企業や個人が支払うべきもののことです。負債には、借入金や社債、買掛金や未払金、税金や賞与など、さまざまな種類があります。負債は、その支払期限によって、以下のように分類されます。

  • 流動負債:短期的に支払わなければならない負債のことです。例えば、借入金のうち1年以内に返済する分や買掛金や未払金、法人税や消費税などが流動負債にあたります。
  • 固定負債:長期的に支払わなければならない負債のことです。例えば、借入金のうち1年以上先に返済する分や社債やリース債務、退職給付債務などが固定負債にあたります。
  • その他の負債:流動負債でも固定負債でもない負債のことです。例えば、繰延税金負債や保証債務などがその他の負債にあたります。

負債は、バランスシートの右側に表示されます。

純資産

純資産とは、資産から負債を差し引いたもののことです。純資産は、企業や個人の自己資本とも呼ばれ、その経営や生活の安定性や成長性を示します。純資産には、以下のような種類があります。

  • 資本金:企業が株主から集めた資金のことです。資本金は、企業の設立時や増資時に発行する株式の額面の合計額として計算されます。
  • 資本剰余金:企業が株式を発行する際に、額面よりも高い価格で売却したときに生じる差額のことです。資本剰余金は、株主からの追加的な資金として扱われます。
  • 利益剰余金:企業が営業活動によって得た利益のうち、配当や積立金などに充てられなかった残りの部分のことです。利益剰余金は、企業の累積的な利益として蓄積されます。利益剰余金は、企業の成長や安定に必要な内部留保として活用されます。
  • その他の純資産:企業が株式を発行する際に、額面よりも低い価格で売却したときに生じる差額や、株式の分割や併合による調整額などのことです。その他の純資産は、株主からの減少的な資金として扱われます。

純資産は、バランスシートの右側に表示されます。負債と合わせて、資産と同じ額になります。

バランスシートの見方

バランスシートを見るときに、注意すべき点は以下の通りです。

左右のバランス

バランスシートの名前の通り、左右の合計額は常に等しくなります。これは、資産は負債と純資産の和に等しいという会計方程式が成り立つからです。つまり、

資産=負債+純資産\text{資産}=\text{負債}+\text{純資産}

という関係があります。この式は、企業や個人が資産を増やすには、負債を増やすか、純資産を増やすかのどちらかであることを示しています。逆に、資産を減らすには、負債を減らすか、純資産を減らすかのどちらかであることを示しています。

借方と貸方

バランスシートの左側に表示される資産は、借方と呼ばれます。借方とは、企業や個人が借りているもののことです。借方は、増えるとプラスになり、減るとマイナスになります。バランスシートの右側に表示される負債と純資産は、貸方と呼ばれます。貸方とは、企業や個人が貸しているもののことです。貸方は、増えるとマイナスになり、減るとプラスになります。借方と貸方は、常に同じ額になるように調整されます。これは、借りたものは必ず返さなければならないという原則に基づいています。

BSとPLの関係

バランスシートは、ある時点での財務状況を表しますが、その時点に至るまでの経営活動の結果は、別の財務諸表である損益計算書(英語ではProfit and Loss Statement、略してPL)で表されます。損益計算書は、ある期間における収益(売上や利息など)と費用(原価や経費など)の差額である利益(損失)を計算します。損益計算書で計算された利益(損失)は、バランスシートの純資産に加算(減算)されます。つまり、

純資産=純資産(前期末)+利益(損失)\text{純資産}=\text{純資産(前期末)}+\text{利益(損失)}

という関係があります。この式は、企業や個人の純資産は、前期末の純資産にその期間の利益(損失)を加えたものであることを示しています。バランスシートと損益計算書は、互いに関連していることがわかります。

バランスシートの活用方法

バランスシートを活用することで、企業や個人の財務状況を分析したり、評価したり、予測したりすることができます。以下に、バランスシートの活用方法の例を挙げます。

企業の財務状況の分析

バランスシートを見ることで、企業の財務状況を分析することができます。例えば、以下のような指標を用いて、企業の財務状況を評価することができます。

  • 流動比率:流動資産を流動負債で割ったもので、短期的な支払能力を示します。流動比率が高いほど、短期的な負債に対して資産が豊富であることを意味します。
  • 固定比率:固定資産を固定負債で割ったもので、長期的な支払能力を示します。固定比率が低いほど、長期的な負債に対して資産が適切であることを意味します。
  • 自己資本比率:純資産を資産で割ったもので、自己資本の充実度を示します。自己資本比率が高いほど、自己資本が多く、財務が安定していることを意味します。

企業の価値の評価

バランスシートを見ることで、企業の価値を評価することができます。例えば、以下のような方法で、企業の価値を算出することができます。

  • 純資産評価法:純資産を株式の発行数で割ったもので、企業の価値を示します。純資産評価法は、企業の資産の現在価値に基づいて価値を算出する方法です。
  • 営業キャッシュフロー割引法:営業キャッシュフローを将来のキャッシュフローの現在価値の合計で割ったもので、企業の価値を示します。営業キャッシュフロー割引法は、企業の収益力に基づいて価値を算出する方法です。

企業の将来性の予測

バランスシートを見ることで、企業の将来性を予測することができます。例えば、以下のような分析を行うことができます。

  • 資産の成長率:資産の増加額を前期の資産で割ったもので、資産の成長速度を示します。資産の成長率が高いほど、企業の成長性が高いことを意味します。資産の成長率は、企業がどれだけ資産を増やしているかを示す指標です。資産の成長率が高い企業は、市場での競争力や収益力が高いと考えられます。
  • 負債の構成比:負債の種類ごとに占める割合を示します。負債の構成比は、企業がどのような資金調達をしているかを示す指標です。負債の構成比が高い企業は、借入金や社債などの固定負債に依存していることを意味します。固定負債は、利息や返済の負担が大きく、財務のリスクが高いと考えられます。
  • 純資産の変動率:純資産の増減額を前期の純資産で割ったもので、純資産の変動の度合いを示します。純資産の変動率は、企業がどれだけ利益を出しているかや、どれだけ配当を支払っているかを示す指標です。純資産の変動率が高い企業は、利益が大きく増えたり、配当が大きく減ったりしたことを意味します。

まとめ

バランスシートとは、企業や個人の財務状況を表す財務諸表の一つです。バランスシートは、資産、負債、純資産の三つの要素から構成され、左右の合計が等しくなるように表示されます。バランスシートを見ることで、企業や個人の財産の状態や変化を把握することができます。また、バランスシートを活用することで、企業の財務状況の分析や価値の評価や将来性の予測などを行うことができます。バランスシートは、金融の基本的な知識として、重要なツールとなります。



2011年05月22日 15:56

定量分析とは
クレジットカード金融機関での金銭の貸し付けにおいて
申し込み者の支払い能力を判断する際の評価方法のひとつである。

定量分析では定性分析と異なり
財務諸表を中心に申し込み者の支払い能力
収入可処分所得貯蓄職業勤続年数住宅状況、負債状況などから
計数的に評価する。

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定性分析

2011年05月01日 21:46

定性分析とは財務諸表に表れない要因、
つまり経営者の資質企業の販売力技術力、将来的な返済能力に対する評価の仕方である。

定量分析だけでは測りきれない要素を
定性分析によって補い
より正確に申し込み者の分析を行うことができる。

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